パックラフトの選び方/おすすめのパックラフト

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パックラフト

ゆーです。

2022年の春からパックラフトにハマっています。

前回、これから始めようという方や、入門向けとして記事を書きました。

その中でパックラフトそのものについての説明は省略させてもらいましたが、ツアーに参加しての乗ったボートの感想、自分で調べて分かったことや聞いて分かったことなどを今回お伝えできればと思います。

私個人の知りうる範囲、基準、感想なので、参考まででお願いします。また、ツアーで試乗できる情報は関東中心なのでご了承ください。

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パックラフトを選ぶうえで知っておくと良いこと

パックラフトの購入を検討するときに、大まかな違いや仕様を知っておくと良いと思います。

静水モデル/流水モデル

パックラフトはざっくり大きく2つに分けると、静水モデルと流水モデル(ホワイトウォーターモデル)に分かれます。

静水モデルは、湖や穏やかな川での利用が想定されています。シンプルで軽量。激しい川へ行くことはない、価格を安く抑えたいという方は、静水モデルで良いと思います。

流水モデルは、ホワイトウォーターと呼ばれる白い波の立つような、流れの強い川での利用が想定されています。波を越えていけるような形状(ロッカーなど)、水が入りにくいデッキや、水が入ってもそれを排出するセフルベイラーというものが備わっています。流水モデルだからと言って静水で使えないわけではないので用途は広く、基本的には流水モデルがおすすめです。

この静水モデル、流水モデルの違いを生むのが後述する細かな仕様の違いとなります。

オープンデッキ/スプレーデッキ(デッキの仕様)

シンプルなオープンデッキと、パックラフトの内部への水の侵入を防ぐ仕組みを持つスプレーデッキに大きく分かれます。

オープンデッキはパックラフトの内部に水の侵入を防ぐ機能が何もない仕様です。激しい流れに突っ込むとパックラフトの内部へ水がじゃんじゃん入ってくるので、定期的な水抜きが必要となります。利点はシンプルかつ軽量なところ。静水モデルの多くはオープンデッキです。

スプレーデッキモデルは、ボートの中への水を防ぐための機能が備わったものです。簡易なものや、取り外し可能なモデルなどいくつかの仕様がありますが、アルパカラフトの以下3つの仕様を理解しておけば大丈夫だと思います。

  1. ホワイトウォーターデッキ(WW Deck)
    • 最も水が入りにくく暖かい仕様です。
    • ボートにコーミングという円形の枠を形成し、スプレースカートというものを着用してひっかけ、カバーを作ることで水の侵入を防ぎます。
    • カヤックに近いスタイルです(カヤックやったことないですが)。
  2. ホワイトウォーターリムーバブルデッキ(WR Deck)
    • 上記のホワイトウォーターデッキを同様の機能を持ちますが、ジッパーで取り外しが可能なタイプ。取り外せばオープンデッキとしても使うことが出来ます。
    • ジッパーを開けることで、内部の水抜きや、砂などを流す作業がホワイトウォーターデッキよりも楽です。
    • 取り外しのための機能が増えるので、重量もわずかですがホワイトウォーターデッキより増えます。
  3. クルーザーデッキ(CR Deck)
    • 最も古くからある仕様で、簡易なスプレーデッキを備えたモデルです。
    • マジックテープで脱着できるデッキを備えており、水の侵入をまぁまぁ防ぎます。
    • ホワイトウォーターデッキほど水の侵入は防げませんが、マジックテープの脱着のみで乗り降りができるので、手間が少ないです。
    • 現在は主流ではないようで、アルパカラフトのクラシックではカスタムオーダーが必要です。

いずれも乗り降りが少し手間にはなりますが、慣れの問題もあります。下半身が覆われており水の侵入を防げるため、オープンデッキに比べて暖かいです。沈(フリップ/落水)したときはスプレーデッキがあるため再乗艇は難しくなります。

セルフベイラー(フロアの仕様)

フロア…つまりボートの底に、セルフベイラーという水抜き穴を備えたモデルです。オープンデッキとの組み合わせで使い、水が入ってきても一定量に水を排出するものです。常に一定量(といってもほんの数センチとかですが)の水がフロアに侵入している分ボートが沈んでいるので、わずかにボートの挙動は重くなりますが、その分急流では安定することもあるようです。

乗り降りがしやすい、余計な手間が掛からないといった運営上の利点から、多くのダウンリバーツアーではセルフベイラーモデルが採用されているようです。

ちなみに、私には利点が分からないのですが、アルパカラフトではスプレーデッキとセルフベイラーを組み合わせたカスタムが出来ます。

バックバンド、フットブレース、サイストラップ(急流向けの仕様)

主に急流モデルに採用されているもので、パックラフトとのフィット感を高めるものとして、バックバンド、フットブレース、サイストラップがあります

バックバンドはそのまま背もたれのことです。静水モデルは空気で膨らませる簡易な背もたれが多いですが、急流モデルは前後の位置を調整できるしっかりしたタイプのものが付いています。

フットブレースは、足元のスペースを埋めて、踏ん張りが効くようににするものです。空気を入れて膨らませるスペーサーのようなものです。

サイストラップは、パックラフトのチューブと膝を一体化させることでフィット感を高めるものです。特に横方向の動き、リーンという傾きをかけやすくなります。

生地(素材)

厚さ、素材、コーティングなどの要素がありますが、あまり考えずに標準のもので問題無いと思います。

厚さはデニール(d)で表現します。デニールと言われても私はあまりイメージが付かなかったのですが、女性はストッキングの厚さなどでご存じかもしれません。登山する方はもしかしたらご存じかもしれませんが、山岳テントなどの生地の厚さがが30デニールとかです。

チューブに比べてフロアは厚めで作られています。アルパカラフトだとチューブ210デニール、フロア840デニールが標準のようです。

生地を変更したり、厚くするカスタムも出来ますが、標準で問題無いと思っています。素材もアルパカラフトでは高強度のベクトランを選択できますが、その分重くなります。コーティング等も選べることがありますが、ブルーナイルギアの記事が参考になるかと思います。

軽さ」という価値は、「パックラフトの特徴そのもの」でもあり、他には代えられないものがあると考えています。

軽くて必要十分な強度、それがブルーナイルギアの考えるパックラフトらしさです。

https://bluenilegear.com/pages/customcolor

何を重視するかですが、私もパックラフトは軽さこそ一つの特徴だと思います。

カーゴフライ/TI-ZIP/内部ストレージ

アルパカラフトではカーゴフライと呼びますが、チューブに防水のジッパーTI-ZIPを備え、チューブの中に荷物を入れることが出来る仕組みです。標準で付いていたり、カスタマイズで付けたりできます。

ボートの上に荷物を載せると重心が高くなり操作性が落ちますが、カーゴフライはボート内部に荷物を入れることで重心低く保てるという利点があるので、アルパカのホワイトウォーター向けのモデルには標準でついていることが多いです。

多くの荷物を運ぶキャンプツーリングなどに便利ですが、防水ジッパーという部品が増えるので、故障への考慮や、日々のメンテナンスや丁寧な扱いが必要となります。

多くの荷物を運びたいか否かで、つける・つけないを検討しましょう。

グラブループ/ウェビングループ

ロープを通しておくループのことです。沈(フリップ/落水)したときにボートをつかむためにロープを通しておくことや、ボートの上に荷物を積んでロープで固定するときに使います。

ボートの前側に4つ、後ろ側に2つグラブループがついているモデルが多いです。使い勝手や、用途を考えて、追加のループを増やしたりできます。前後4つずつあれば、前にも後ろにも荷物を積むことが出来るので、汎用性高いと思います。

Dリングも仲間ですが(D型の金属ループ)、バックバンドの取り付け部分に使われている印象です。

パックラフトの3大メーカー

勝手に3大メーカーにしていますが、以下のブランドは知名度も高く、ツアーでの取り扱いも多いです。

アルパカラフト(Alpacka Raft)

通所「アルパカ」。現代のパックラフトの基礎を築いた元祖というべき存在で、アメリカのコロラド州でハンドメイドでパックラフトを制作しています。

目的に応じた様々なモデルを提供しており(2023年に更に増えました…)、ハンドメイドの強みを生かしたカスタマイズも対応。

トップブランドのため価格はお高いですが、正直なところアルパカを買っておけば、間違いは無い・満足度は高いと思います。

日本国内での入手は困難な状況だと思っており、いろいろな手間はあるかもしれませんが個人輸入している方を参考に手に入れるのが良いと思います。2023年から北海道の秀岳荘というお店がアルパカラフトの取り扱いを始めたので、北海道の方は行ってみると良いと思います。秀岳荘はアルパカ以外のメーカーのボートも、ギアの取りそろえも充実しているようです。

ココペリ(KOKOPELLI)

モンベルでの取り扱いがあるココペリ。モンベルで購入すれば、サポートも手厚いはず。

みなかみを拠点とするワンドロップではツアーで乗れますし、購入もできます。

ローグのスプレーデッキモデルの完成度は高いということを耳にします。乗ったことがないので分からないのですが、シンプル・軽量・スプレーデデッキという旅を目的としたパックラフトの原点に近いようです。

マーシャス(MESYAS)/フロンティア(FRONTIER)

フロンティアは、2010年創業のインフレータブル専門メーカーのAUDAC SPORTSのパックラフトブランドです。ウォーターブランドのMERSYASとのダブルブランド(?)になっています。

静水向けのCWシリーズ(Calm Water)、流水向けのWWシリーズ(White Water)、静水流水兼用のHBシリーズ(HyBridかな)があります。数字は長さを表しています。

  • CW-220 ・・・静水向けモデル長さ220cm
  • WW-255 ・・・流水向けモデル長さ255cm

国内ではスター商事で取り扱いがあります。パックラフトインストラクターしょこたん監修のカスタマイズモデル、ショコニック2023も販売されています。

その他のパックラフトメーカー

MRS(Micro Rafting System)

京都のKAZE Storeさんで扱っているMRSパックラフト。

国内でも利用している人がまぁまぁ居そう。パックラフトのレンタルが出来るので、乗り味を確かめてから買うのも良いかもしれません。タンデムモデルのAdventure X2をレンタルして遊びましたが、なかなかに良かったです。

ブルーナイルギア(BlueNileGear)

フロンティアがベースのようですが、本家には無いカスタマイズモデルなども販売しており、問い合わせで多彩なカスタマイズにも対応してくれるよう。

身長が低い人向けにWW-255を10cm縮めるカスタムなどもあり、WW-255だとちょっと長いという小柄な方に良いかもしれません。ファミリー向けタインデムや、流水向けタンデムモデルなどもあり、面白いです。

グリフォンラフト(GRIFFON RAFT)

元気商会が取り扱っているパックラフト。ストレウスやラルガといった名前を耳にすることはありますが、残念ながら目にしたことが無いのであまり分からないです、すみません。

目的別おすすめパックラフト

独断と偏見で、目的に応じたおすすめのパックラフトを紹介します。

多目的/汎用的/オールパーパス

個人的には、アルパカラフトのクラシックで、スプレーデッキのモデル(WW/WR/CR Deck)が最も汎用性が高いと思います(個人的なアルパカ推しが入っているかもしれませんが)。

  • シンプルな仕様のため軽量な部類
  • ホワイトウォーターにもある程度対応
  • 荷物もある程度積むことが出来る(キャンプツーリングやバイクラフティングなども可能。さらにカーゴフライも付ければ更に荷物を運べます)

サイズによってアルパカ(Sサイズ)、ヤク(Mサイズ)、リャマ(Lサイズ)がありますが、海外サイズ(?)のようなので、ワンサイズ小さいくらいでよいみたいです。小柄な方はアルパカ(Sサイズ)でも大きすぎるらしく、みーさん(150cmちょい)はクラシックを買う気満々でしたが、よりタイトに乗れるウルヴァリン/エクスペディションのSサイズをお勧めされました。ゆったり乗りたい方や、荷物を多く積みたい方はワンサイズ大きい方が快適かもしれません。

カスタマイズでグラブループを後部に2つ追加した方が使い勝手が向上するのでオススメ(Stern Rail)。

旧モデルのクラシック、他。船尾(スターン)にグラブループを追加して紐を通すことで、前後にパドルを通して運ぶこともできる。

セルフベイラーモデルが良い方は、ホワイトウォーターモデルから選ぶと良いと思います(カスタムでクラシックのセルフベイラーも選択できますが、あえて選ぶほどにメリットが無い気がしてます)。

ホワイトウォーター(流水)

主要メーカーの代表的なモデルを上げます。あとはお好みで。

アルパカラフト

アルパカラフトはウルヴァリンかエクスペディションがおすすめです。

ウルヴァリンはセルフベイラー、スプレーデッキモデルから選択可、エクスペディションはスプレーデッキモデルから選択できます。ウルヴァリンの方がエクスペディションよりタイトな乗り味、エクスペディションはクラシックのシートを使うことでウルヴァリンより軽量です(デッキが同条件の場合)。

重い荷物をボートの上に積むことは想定されていないため、ちょっとしたもの以外はカーゴフライで船内に格納しましょう。

アルパカにはナーワルというホワイトウォーターモデルもありますが、こちらは一回り大きく、安定性が高くなります。キャンプツーリングやバイクラフティングなどで浮力が欲しい場合はこちらの方が良いと思います。ナーワルはアムスハウスで試乗できます。

2023年からホワイトウォーターリフュージ(Whitewater Refuge)というのも増えており、エクスペディションよりも軽量なWWモデルのようです。ヴァルキリーというカヤックのような形のモデルも出ましたが、重さ6Kg前後で”パック”ラフトとしては重いです。

ココペリ

ココペリはニルヴァーナ。

ツアーで乗った感じ、シンプルなホワイトウォーター向けで、性能は悪く無いです。

ただし、身長が小さい方にはお勧めできないかも。ボートの中で足を突っ張ることで、一体感やボートに張りを出すのですが、みーさんはバックレストを一番前にしても前に足がつかなくて踏ん張れない感じでした(みーさんは150cmちょいです)。サイストラップがオプションで販売されているようなので、つければまた違うかもしれません。

純粋なホワイトウォータ向けでなので、カーゴフライのようなオプションもなかったはず。あまり多くの荷物を運ぶことは得意ではないと思います。

リーコンは、ニルヴァーナの生地が違うバージョンですが、”パック”ラフトの観点からは重いです。

みなかみのワンドロップで一度乗ってみるのが良いと思います。

KOKOPELLI(ココペリ)Nirvana(ニルヴァーナ)
フロンティア/マーシャス

フロンティアはWW-255、ショコニックモデルなど。どちらもセルフベイラーです。

ショコニックモデルは浮力高めの安定流水モデルで、ウェビングループも多く、荷物を載せた川旅にも十分対応できそうです(ナーワルに近いかも?)。

ブルーナイルギアではWave Hunter 255という名前でWW-255が販売されています。以下のような様々なカスタマイズが可能です。

  • 小柄な方はボートの長さを短くする(10cm短くするカスタムが無料のようです)
  • キャンプツーリングで荷物を船内に保存できるようにTi-ZIPをつける
  • バイクラフティングなどで浮力を高めたい方は、船首や船尾を拡張する
  • ボートのカラーリングや生地をカスタムする

関東の方はみたけレースラフティングクラブで試乗させてもらいましょう。他社ツアーでもWW-255を使っているところは結構あると思います。

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他のメーカーさんはごめんなさい、乗ったことも無かったりなので省略させてもらいます。

キャンプツーリング/バイクラフティング

重い荷物を積む分、高い浮力があった方が望ましいです。ただし流れが穏やかなら、ある程度はどんなボートでも大丈夫だと思います。

以下の写真はオケラアドベンチャーズで四万十川下流域をバイクラフティング&野営したときのもの。おそらくCW-250(このころ詳しく無かったため推定)にガッツリ荷物を積んでるところです。E-Bikeと野営道具で30kg前後ではないでしょうか(写真は私ではないですが、私も特に問題なかったです。ちなみに私の体重は60Kgくらい)。

四万十川をバイクラフティング

アルパカラフトではバイクラフティングの推奨モデルとしてカリブーがありますが、クラシックやナーワルでも十分だと思います。

フロンティアはCW-250やWW-255などで大丈夫かなと。安定流水モデルのショコニックモデルは、浮力も高くてウェビングループも多いので荷物を積みやすいと思います。

カーゴフライなどの内部ストレージがあれば、低い重心で安定して荷物を運べます。荷物を積むとコントロールが難しくなるので、流れの激しくないところでツーリングしましょう。

二人乗り/タンデム/親子で使いたい

二人乗りのモデルなどもありますが、基本的にはオープンデッキで、湖や流れが穏やかな川での利用が想定されています。技術力次第である程度の急流にも挑戦できると思います。

アルパカラフトはエクスプローラー42が最小・最軽量の二人乗りモデルです(個人的にキャンプツーリングで使えないかなと非常に気になっているモデル)。カヌースタイルで大人2人でゆったりと乗れるオリックスもあります。

ココペリはトウェイン、フロンティアはCW-320で、どちらも静水向けモデルとされています。

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MRSにはAdventure X2というモデルがあります。レンタルで乗ったのですが、ゆーとみーにはちょうどいい感じで、低水位でしたが長瀞では問題なく使えました(長瀞駅~樋口駅)。

ブルーナイルギアは2人~親子3人までのモデルなどもあり、急流1.5人とか面白いものもあって気になります。

小さい子供を前に乗せるだけなら、大き目の一人用モデルでも十分に浮力があるので楽しめるようです(ライフジャケットの着用をお忘れなく!)。

まとめ

アルパカラフトのホワイトウォーターモデルを購入するので、アルパカラフト&ホワイトウォーターモデル”推し”の内容になってしまったかもしれません。アルパカラフト以外も乗りましたが、それぞれ微妙に違っていて、好みの部分もあると思います。

決して安い買い物ではないと思いますので、目的・予算・考え方などを踏まえて、選んでいただければと思います。

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